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アマガサ咬症

お久しぶりです。
こうして何気ないブログの更新も、あの出来事の後と思うと、奇跡的だなぁ~と痛感します。


6月23日未明、例のごとく自分は生き物採取に勤しんでいました。
いつもと違うのは、そこが香港であること。自分は無我夢中で渓流性のナマズを追いかけていました。そこにかの恐ろしい猛毒蛇がいるとは知らず。



「チク、チク」



最初は何に咬まれたのかも分からず、水中から這い出てくる蛇を確認してサーっと血の気が引きました。
誰もが知っている。強い神経毒を持つアジアの猛毒蛇、


アマガサヘビ Bungarus multicinctus.


人生で初めて、本気で「あ、死ぬ」って思いました。



痛みはありません。これが出血毒であればドライバイト(蛇が毒を出さず咬んでくること)と安心できるのですが、アマガサヘビはブンガロトキシンという神経に作用する純粋な神経毒、痛覚はないのです。このため気づいたら手遅れ、なんてことになります。

すぐさま同行者と合流、現地の病院に駆け込みました。

通常、アマガサヘビに咬まれて症状が出るまでは1時間~数十分と言われていますが、自分が症状を自覚しだしたのが2時間後でした。それもアマガサヘビ咬症では聞いたことのない体の痛み、最初はストレスかと思いましたがなんか変。

その後瞼の痛み、歩行困難など徐々に聞いたことのある症状が出てきだし、日が昇る頃には瞼の激痛。肺の激痛によって浅くなる呼吸。喉、舌、口内の激痛、大量の痰、ヨダレなど、今まで経験したことのない苦痛に見まわれました。


昼ごろに血清を投与し、効果が出だしたのは夜、内蔵と肺、呼吸が楽になり、喉が自由に動かせるようになりました。

しかし、なかなか瞼の痛みや重みがとれず、満足に開けたのはまた数日後でした。


かなり駆け足ですが、全体としてはこんな感じです。
神経毒は初めての経験でしたが、咬まれた直後は出血毒のように激痛はないとはいえ、結果的に殺しに来るのでかなり苦しみます。<巷で聞くような、神経毒は楽に死ねる。という事はありません。

日本にも陸生にの蛇だとハイ、ヒャン、イワサキワモンベニヘビは被害は報告されていませんが、多少なりと神経毒を持っています。また、ウミヘビの仲間はアマガサヘビよりも強い神経毒を持つことが知られています。


何かに夢中になっているときは、その分視野が狭くなっています。自分の身を守るためにも、フィールドでは常に視野を広くしましょう。いままで何気なく手をついたらそばにマムシがいた経験何度かあります。それが最悪の形で結果になりました。



今回咬まれたアマガサヘビ<
アマガサ咬症_b0338817_18052050.jpg
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by saru1205 | 2016-09-05 18:04 | その他


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by こぺんた

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